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ミケランジェロ《聖家族》―アートでめぐる世界の旅 [美術講座]

世の中にはいろいろな家族があります。絵の中にもいろいろな家族が登場します。そんな「家族の肖像」を追うシリーズ―今回取り上げたのは父・母・子の“核家族”が主役の作品です。

2月22日、連続講座「アートでめぐる世界の旅」を大阪・北浜にて開催しました。今回の作品は、ミケランジェロの《聖家族》(トンド・ドーニ)。前回(1/25)の《アルノルフィーニ夫妻の肖像》に続く、家族の肖像シリーズの第2講です。

[アート]画像↓
http://www.italian-renaissance-art.com/Doni-Tondo.html

聖母子すなわちイエスとマリアを描いた作品は古今数知れませんが、父ヨセフとなるとその登場回数は激減します。聖霊の奇跡により受胎したマリアが、聖母として(むしろイエス以上の)絶大な信仰を集めてきたのと対照的に、血縁的にはイエスと繋がりのない養父であるヨセフは、聖書でも絵画でも今ひとつ影の薄い存在でした。そのヨセフが大きく、もっとも高い位置に描かれた本作は、いろいろな点で興味の尽きない「家族の肖像」です。

登場人物や構図に注目しながら皆で話し合ってみると、
・この男性は父?それとも祖父?
・父にしてはだいぶ年を取っているなぁ
・この絵の父には家父長的な権威を感じる
・背景の裸体の人物は何者?
など、いろいろな意見や疑問が出されました。

面白かったのは、子ども(イエス)が父から母へ手渡されていると見た人と、母から父へ手渡されていると見た人がいたこと。一般的には父から母へ手渡されていると解釈されていますが、どう見ても自然とは言い難いこの捻りの入ったポーズ、(特に女性には)「たまには貴方が子どもの面倒みてくださいよ」とか「たまにはお父さんに遊んでもらいなさい」と言いたげな母の声の反映と映ったのでしょうか?!

年の離れた夫と妻、血のつながらない父と子、通常の方法ではない方法で子を授かった母…「家族の肖像」として見た時、この一家はなかなか複雑な家族であるともいえましょう。しかしながら、父・母・子のいずれもが堂々とした互角の存在感をもち、緊密な世界を構成しているこの絵は、あまたある聖画像の中でも飛びぬけて力強い作品です。ここには来るべき受難と苦悩よりは、結束して人類を逞しく導いていくパワフルなファミリーの姿が見えるような気がします。

次回は、
|2016年3月7日(月)10:00~11:30
|大阪NPOセンター セミナースペース
|ゴヤ《カルロス4世の家族》(家族の肖像シリーズ第3講) 

単発受講も可能です。
詳細はコチラ(PDF)
お申込みはコチラ(webフォーム)
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