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知るほどに謎が深まる《アルノルフィーニ夫妻の肖像》―アートでめぐる世界の旅 [美術講座]

美術講座「アートでめぐる世界の旅シーズン3」(全3回)、昨日からスタートしました。

第1回目は、ヤン・ファン・エイクの《アルノルフィーニ夫妻の肖像》。豪華な調度品に囲まれた室内で、男女が手を取り合い、誓いのようなポーズで立っています。無表情とも言える男性と、まだ幼さを残したような女性の取り合わせ、2人のしぐさや視線の行き先など、どことなく謎めいて、少々不気味な雰囲気さえ漂う絵かもしれません。

初期フランドル傑作であるこの絵の解釈をめぐっては、これまで様々な議論が展開されてきました。代表的な(仮)説は、美術史家エルヴィン・パノフスキーが1934年に提唱した、ルッカ出身の商人ジョヴァンニ・アルノルフィーニとその妻ジョヴァンナ・チェナーミの結婚証明の絵というものですが、近年これと矛盾する証拠が見つかっており、反論も出されています。

北方ルネサンス特有の緻密な細部の描写や個々のモチーフのリアルな質感とは裏腹に、この絵の主題や象徴性は謎に富んでおり、今なお決定的な証拠は出ていません。

参加者同士で話し合ってみると、
・結婚にまつわる絵にしては幸福感や温かさが希薄
・特に男性の表情や手のポーズが謎めいている(←プーチンに似ているという意見も!)
・女性は妊娠したいるの?だとしたら、婚前交渉って認められていたの?
・豪華な衣装や調度品から金持ちのカップルだと分かる
・現実の男女を描いているのか、あるいは虚構の姿なのか?
など、いろいろな意見や感想が出されました。

結論づけることはできませんが、一つ言えるのは、知れば知るほど、調べれば調べるほど、むしろ謎が深まる、不思議な絵だということです。

ここに学ぶことの面白さがあるように思います。学ぶということは、もちろん新しい知識や技術を習得することであり、様々な疑問に考えを巡らし、あれこれ調べて、パズルのすべてのピースがピタッと収まるように、わからなかったことがクリアになった時の喜びや爽快感は何とも言えないものです。しかし、それは同時に新たな謎、新たな疑問への入口であり、そこからまた新たな探求が始まります。

絵も同じ。見るほどに、知るほどに、新たな発見と、そして新たな謎が見えてくる。見るほどに、実は今まで「見たつもり」「わかったつもり」だっただけかもしれないことに気づかされるのです。美の精華に触れて目の喜びを味わいながら、そんな知の喜びも味わっていただければ本望です。

☆Wikipedia アルノルフィーニ夫妻の肖像

次回&次々回は、

●2月22日(月) ミケランジェロ《聖家族》
●3月7日(月)  ゴヤ《カルロス4世の家族》

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